Orario

Orario2年目突入ということで、少し振り返ってみる。-UXの大切さ-

Orario Developerの井口です。

Orario」とは「立命館大学生向け時間割自動生成アプリ」で、ダウンロード数は1万2千を超えており、立命館生の約3人に1人がダウンロードしている計算です。そんな「Orario」が2年目に突入したということで、1年間でやったこと・学んだことを少し振り返ってみたいと思います。

初回リリース〜バグとの戦い

順調なリリース

新年度の4月に「Orario」をメジャーリリースしました。
watnow全体で広報に取り組み、「ログインするだけで時間割が一瞬で自動生成される」という利便性を訴えたところ、
ユーザーの支持を得ることができ、1日200〜300人位の割合でインストールされ、
とても順調なスタートをきりました。

リリース直後の致命的なバグ

しかし自分の経験不足とテスト不足などが祟って、リリース直後から、時間割が正しく取得できないバグや、取得できても時間割が正常に保存されていないバグなどが多発し、ユーザーから問い合わせがきたり、レビューに星1つを付けられたりしており、それらの対応やバグの修正に奔走していました。(辛かった。。^^;)

UX/保守性の低下

5月頃に入ってようやく致命的なバグは修正でき、事態は収拾しましたが、学部ごとによる立命館のwebページの微細な違いや、度重なるバグ修正でコードが継ぎ接ぎになったことによる保守性の低下により、予期しない様々な問題が頻発しており、この時期のOrarioのUX/保守性は良くありませんでした。
ただ、テスト期間前から大々的は広報をすることによってインストール数は着実に伸ばしていきました。(7月末時点で7千弱)

ゼロからの作り直し

インストール数は着実に増えてはいたものの、度重なるバグ修正でコードが継ぎ接ぎになっていました。
そういった中で自分の就活も終わり、夏休みでまとまった時間も取れそうだったため、後期開始(10月)に向けて再びゼロから書き直そうとおもいました。
書きなおす時に意識したのは以下の2点です。

  1. UX
    普及率16%で丁度キャズムに差し掛かり、機能性ではなく使い心地やデザインを求めるマジョリティにも使って頂けるように。
  2. 保守性
    今後の新たな機能追加にも耐えうるコードに。

まず、旧型のダメなところ・要望があった機能などをリストアップして、
それら全てを解決していくとともに、新たな機能を追加し、更にUX/保守性の改善にも最大限気を配りました。

> 余談:作り直しを2ヶ月間の夏休みで完成させる予定だったのですが、フィリピンに語学留学しながらの作業だったので、ちょっとしたダウンロードに大変時間がかかって後期に間に合うかギリギリのところでした笑 (Xcodeのアップデートに丸2日かかったり笑)

フレームワークの変更

旧型版

現行版

Top画面の変更

詳細画面の変更

大きな変化

アプリのUXの大幅改善のために、アプリをゼロから作りなおした結果、3つの大きな変化が確認できました。

1. 口コミによるインストール数の増加
Orario iOS版 インストール数の推移

期初期末には時間割に対するニーズが高まるため、大きな広告を打っていました。
しかし、期中には広告を一切していないにもかかわらず、一定数伸びているのがわかります。
これはおそらく口コミで伸びているものと思われます。

前期・後期のそれぞれの期中インストール数
5月 11月
1月あたり回数 311 751
1日あたり回数 10 25

UXの改善によって、
およそ2.5倍増加しているのがわかります。
何もしなくても毎日25回(人)もインストールされるとは想定外でした。

どんな広告を打とうか考える前に、
まずアプリ自体のUXを改善させることが、1番効果の高い広告じゃないかなとも思います。

2. アクティブユーザーの増加
アプリセッション数のグラフ


※ データはオプトインのみ(実際の数値はこのグラフの3から4倍程度)

前期・後期ではっきり差が現れています。
UXの改善で使い心地が良くなり、
アプリを立ち上げる機会が増えたことがわかります。

3. レビュー高評価
レビュー評価の割合

レビューにもしっかり現れています。
※ちなみに12月のレビューが悪いのは、オーバーレイ広告を導入したことによるUXの低下であると考えられる。

補足: Twitterでの反応

Twitterでも高評価を頂きました。

まとめ

> “ビジネスの成功、サービスの成功の9割(を占める要因)はユーザーエクスペリエンス(UX)です。”
> by 株式会社ディー・エヌ・エー創業者・取締役 南場智子
> 出典:DeNA南場智子氏がサービス開発の悟りを講演「UXをまず作り込む。ビジネスモデルやマーケティングは後でいい」